血液検査で MCV とは、平均赤血球容積のことです。赤血球は血液を構成する細胞のひとつで、酸素を全身に運ぶ役割を担っています。MCV は、赤血球の平均的な大きさを表す指標です。
MCV の基準値は、年齢や性別によって異なります。
- 男性:80~96fl
- 女性:76~90fl
- 小児:70~86fl
MCV は、血液検査で測定することができます。血液検査では、通常、赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値なども測定されます。これらの検査結果から、MCV を算出します。
MCV が高い場合、ビタミン B12 欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒などが考えられます。
ビタミン B12 は、赤血球の生成に必要な栄養素です。ビタミン B12 が不足すると、赤血球が小さく、円形になる「巨赤芽球性貧血」を発症します。巨赤芽球性貧血になると、MCV は高くなります。
葉酸は、赤血球の生成に必要な栄養素です。葉酸が不足すると、赤血球が小さく、円形になる「巨赤芽球性貧血」を発症します。巨赤芽球性貧血になると、MCV は高くなります。
過剰な飲酒は、肝臓の働きを低下させ、ビタミン B12 の吸収を阻害します。そのため、ビタミン B12 欠乏性貧血の原因となり、MCV が高くなることがあります。
MCV が低い場合、鉄欠乏性貧血、慢性炎症、腎性貧血などが考えられます。
鉄は、赤血球のヘモグロビンに含まれる栄養素です。鉄が不足すると、赤血球が小さく、楕円形になる「小球性貧血」を発症します。小球性貧血になると、MCV は低くなります。
慢性炎症は、赤血球の寿命を短くする可能性があります。そのため、赤血球の数が増えても、MCV は低くなることがあります。
腎臓は、赤血球の生成に必要なホルモンを分泌しています。腎臓の機能が低下すると、これらのホルモンの分泌が減少し、貧血を引き起こす可能性があります。腎性貧血になると、MCV は低くなることがあります。
MCV の異常値が確認された場合は、さらなる検査が必要となります。具体的には、次の検査が行われることがあります。
- ビタミン B12 検査
- 葉酸検査
- 鉄血球数検査
- 赤血球分布幅検査
- ヘモグロビン A1c 検査
- 腎機能検査
MCV の異常値の治療は、原因によって異なります。
ビタミン B12 の補充療法が行われます。
葉酸の補充療法が行われます。
鉄の補充療法が行われます。
炎症の原因となる疾患の治療が行われます。
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