ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスです。性交渉によって感染することが多く、子宮頸がん、肛門がん、咽頭がん、尖圭コンジローマなどの病気の原因となります。
HPVには約200種類の型があり、そのうち約150種類が性器に感染します。子宮頸がんの原因となるHPVは16型と18型が約70%を占めています。
HPVワクチンは、HPVの感染を予防するワクチンです。2価、4価、9価の3種類のワクチンが販売されており、日本では2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)が定期接種の対象となっています。
9価ワクチン(シルガード9)は、2023年4月から定期接種の対象となり、平成9年度~平成18年度生まれの女性は公費で接種することができます。
2価ワクチンは、HPV16型と18型の感染を予防します。子宮頸がんの原因となるHPVの約70%をカバーします。
4価ワクチンは、2価ワクチンに加えて、HPV6型と11型の感染も予防します。HPV6型と11型は、尖圭コンジローマの原因となるHPVの約90%をカバーします。
9価ワクチンは、2価ワクチンと4価ワクチンに加えて、HPV31型、33型、45型、52型、58型の感染も予防します。子宮頸がんの原因となるHPVの約90%と、尖圭コンジローマの原因となるHPVの約90%をカバーします。
日本では、小学校6年生から高校1年生までの女子が定期接種の対象となっています。また、平成9年度~平成18年度生まれの女性は、公費でキャッチアップ接種を受けることができます。
HPVワクチンは、筋肉注射で接種します。3回接種が必要で、1回目と2回目の接種は6~12週間の間隔をあけて、3回目の接種は1回目から6~12カ月後に行います。
HPVワクチンの副反応は、接種部位の痛み、発赤、腫れ、倦怠感、頭痛、発熱などが主です。重篤な副反応はまれです。
HPVワクチンの有効性は、9価ワクチンが最も高く、子宮頸がんの予防効果は90%以上とされています。2価ワクチンと4価ワクチンも、子宮頸がんの予防効果が約70%とされています。
HPVワクチンのメリットは、子宮頸がんなどのHPV感染症を予防できることです。HPV感染症は、性交渉によって感染する病気であり、一度感染すると完治が難しい場合もあります。HPVワクチンを接種することで、HPV感染症のリスクを大幅に減らすことができます。
HPVワクチンのデメリットは、接種費用がかかることです。日本では、定期接種の対象となる女性は公費で接種することができますが、それ以外の女性は自己負担で接種する必要があります。
HPVワクチンの接種は、個人の判断で行う必要があります。HPVワクチン
0 コメント